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2003年4月4日 じゃかるた新聞掲載

連載「ジャカルタで作る世界の料理」より (4)

マナド料理屋台の台所
 フリーダさんのブブールマナドとアヤム・リチャリチャ
 サリナ・デパートの駐車場に、マナド料理のワルンがある。ガラスケースの中には、魚や鶏のリチャリチャ、ドーナツのように甘い皮に白身魚をあんにした揚げ菓子など、マナド料理が十五品ほど並ぶ。
 午前六時、フリーダさん(四九)は、ワルンの名前の由来のアダム君(二つ)ら孫たちが遊ぶ、にぎやかな家で、妹のアンチェさん(四七)らと屋台用の料理の支度を始めた。
ブブールマナドとアヤム・リチャリチャ
ブブールマナドとアヤム・リチャリチャ
 開店は午前九時。出来上がった料理は、車でワルンへ運ぶ。
 ワルンは、フリーダさんとアンチェさんの子供たちも手伝うので、とてもにぎやかだ。
 「これは私の『コドモ』たち。マナド語で子供は『コドモ』と言います。日本語と同じなんでしょ?」とフリーダさん。

■バナナの葉に盛った粥

 ブブール・マナドは、大量の緑の野菜を使う。それに、キャッサバ、サツマ芋、トウモロコシ。米より野菜の方が多い。
 クマンギなどの香菜が、塩味のあっさりした粥のアクセントになっている。サンバル・トゥラシや焼いた魚を入れたサンバルなど、魚を使った調味料を添えて食べる。魚の干物を砕いたふりかけ「ロワ」は、日本のかつお節に味がそっくりで、食が進む。マナドから取り寄せたものだ。
 ブブール・マナドは、元々、肉や魚の手に入らない時に、マナドの農民が野菜だけで作って食べていたものだという。大きなバナナの葉の上によそった粥を皆で囲み、鍋をつつくように、竹製のスプーンですくって食べるそうだ。
 マナド料理は唐辛子をたくさん使う。マナド語で唐辛子は「リチャ」。「アヤム・リチャリチャ」は、鶏にライムを塗って焼き、刻んだ唐辛子、赤玉ネギ、ショウガを油で炒めた辛いソースをかける。焦げ目の付いた香ばしい鶏に、ストレートな辛さのソースとライムが効いて、さわやかな風味だ。

■稲刈りの踊り

 「マナドは豊かな所です」とフリーダさん。
 海に近いマナドでは、海の幸が豊かだ。米、野菜も豊富に採れる。
 インドネシア中に広まった「ポチョポチョ」は、マナドの踊り。大勢で並び、同じ方向へ移動する踊りは、鎌で稲を刈るしぐさを表したものだ。マナドでは収穫祭の時に踊る。

■「RW」を探して

 肉では、ネズミ、コウモリ、イノシシ、猿、猫などを食べるが、犬が一番おいしいという。犬肉は甘く、食べると体が熱くなるそうだ。
 日本や韓国では赤犬が一番というが、マナドでは黒犬が一番。犬料理はクリスマスやパーティーなど、特別な時に食べる、ご馳走だ。
 東ジャカルタ・ジャティヌガラの、食用犬を売っている場所を訪ねた。主人はマナド人。一頭三十万ルピアで、大体、毎日一頭売れるという。十頭ほどいた犬は皆、とてもおとなしかった。
 マナド料理屋で犬を出す所もある。食べてみたい人は、犬を表す隠語「RW」(Rintek Wuuk=ミナハサの言語の一つ、トンブル語で「薄い毛」の意)を言えば、メニューになくても、こっそり出してくれるかもしれない。
フリーダさん(右)とアンチェさん
フリーダさん(右)とアンチェさん
ワルンで働く「コドモ」たち
ワルンで働く「コドモ」たち
食用に売られる犬たちは、皆おとなしい(東ジャカルタ・ジャティヌガラで)
食用に売られる犬たちは、皆おとなしい(東ジャカルタ・ジャティヌガラで)

■いつか日本へ

 ワルンの客は一日五十人から百人。ジャカルタの客に合わせて辛さを控えめにしているが、それでも「辛すぎる」と言われたり、マナド人の客からは「もっと辛くして」と言われたり、辛さの調整が難しい。
 日本人の客もよく来るという。フリーダさんは、オーストラリアか日本で、マナド料理のワルンを開いてみたいと言う。「いいスポンサーがいたら紹介して」と笑った。
 いつか日本の街角に「ブブール・マナド」や「アヤム・リチャリチャ」の看板が現れたら楽しい。


◇ブブール・マナド(4─5人分)

 【材料】
 トウモロコシ(jagung) 1本
 サツマ芋(ubi merah) 小3本、またはカボチャ 小1コ 
 キャッサバ(singkong) 1コ
 レモングラス(sereh) 2本
 ウコンの葉(daun kunyit) 1枚
 ムリンジョーの葉(daun melinjo) 30g
 カンクン(kangkung)1束
 ホウレンソウ(daun bayam) 2束
 クマンギ(kemangi) 10本
 長ネギ(daun bawang) 1本
 塩 小さじ1.5
 米 250ミリリットル
 【作り方】
 (1)サツマ芋、キャッサバは皮をむき一口大に切り、レモングラスは根元をたたいてつぶし、トウモロコシは粒にする。
 (2)鍋に水1.5リットル、(1)を入れ、ふたをして柔らかくなるまで煮る。
 (3)残りの野菜をすべて入れ、火が通るまで軽く煮て、塩で味をととのえる。

◇アヤム・リチャリチャ

 【材料】
 鶏肉 1羽
 唐辛子(cabe) 15g
 赤玉ネギ(bawang merah) 4コ
 ショウガ(jahe) 8cm
 ライム(jeruk nipis) 2コ
 塩 小さじ1
 油 大さじ5
 【作り方】
 (1)鶏肉にライムの汁と塩を塗り込み、柔らかくなるまで蒸し器で蒸してから、少し焦げ目がつくまで焼く。
 (2)鍋に油を熱し、刻んだ唐辛子、赤玉ネギ、ショウガを入れてよく炒め、塩、ライムの汁を加えて混ぜる。
 (3)鶏肉を鍋に入れ、(2)とよく混ぜ合わせる。

◇サンバル・トゥラシ

 【材料】
 トゥラシ(terasi) 1コ
 赤玉ネギ(bawang merah) 2コ
 唐辛子(cabe) 15g
 トマト(tomat) 1コ
 塩 小さじ1/2
 【作り方】
 (1)トゥラシは両面を焼く。
 (2)材料を全てすり石でぺースト状にして、混ぜ合わせる。

連載「ジャカルタで作る世界の料理」より
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