メガワティ大統領率いる闘争民主党のチャフヨ・クモロ国会会派代表は一日までに、じゃかるた新聞との会見に応じ、来年の総選挙と大統領選挙に向けた同党の戦略について語った。大統領の夫タウフィック・キマス氏の側近でもあるチャフヨ氏は、選挙後に安定政権を発足するため、連合を組む他政党との間で国会(定数五百五十)の六割の議席を押さえたいとした。メガワティ氏のパートナーとして注目される副大統領候補は、三−五人に絞られていることを明らかにした。
来年四月の総選挙における、闘争民主党の得票率目標は四二%。チャフヨ氏は「最低でも前回総選挙の得票率三四%を維持する」と強気の姿勢を示した。
「独立の父スカルノの娘」というメガワティ大統領の金看板を最大限に活用するとともに、著名な芸能人や退役軍人、知識人を国会議員候補に立てて浮動票を取り込んでいくという。
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チャフヨ・クモロ氏
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世論調査では、メガワティ大統領と闘争民主党に対する支持率低下が指摘されているが、「世論調査には政治的な利害が絡んだものが多い。われわれの調査では、メガワティ氏は依然として人気が高い」と信ぴょう性に疑問を投げかけた。
二年半が過ぎたメガワティ政権は、誕生の経緯から常に政治的妥協を余儀なくされてきた。「しかし、国民投票で大統領に再選されれば、メガワティ氏は絶対的な立場に立つことができる。閣僚の人選においても、他党の圧力に影響されずに済む」と述べた。
メガワティ大統領はすでに再選後を見越して、副大臣の新設や省庁の統廃合などの新政権の青写真を描いているという。
■議会の6割を確保
二〇〇四年以降の五年間は野党勢力の圧力が強まると予測し、「単独では太刀打ちできず、五年間にわたって政府と議会で共闘する戦略的なパートナーが必要となる」と語った。
新政権におけるパートナーとしては、国家統一のビジョンを共有する国軍との連携を軸に、二ないし三政党との連合を模索。「弾劾や不正調査などゴタゴタ続きとならないよう、政権の安定のためには五五−六〇%の議席を確保しなくてはならない」と述べた。
大統領の夫のタウフィック氏のイニシアチブのもと、ゴルカル党のアクバル・タンジュン党首や民族覚醒党のアルウィ・シハブ党首らと定期的に会合を重ねていくことで合意したという。
■意中の副大統領候補は?
連合相手から選ばれる副大統領候補については、「総選挙結果を踏まえた上でメガワティ氏が判断する。メガワティ氏の頭の中にあるのは三−五人で、それほど多くはない。すでにうわさされている名前と大差ない」と語った。
続投を狙うメガワティ大統領のパートナーには、国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)のハシム・ムザディ議長やアクバル党首らの名が有力候補に上がっている。
スシロ・バンバン・ユドヨノ政治・治安担当調整相の大衆人気を警戒したメガワティ陣営が、副大統領候補となるよう持ちかけたとの情報もあるが、「この件についてはコメントできない。ユドヨノ氏が(連立相手となる)大政党から支持を受けるかどうかだ」と述べた。