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2003年3月5日 じゃかるた新聞掲載

じゃらん・ジャクサ25時(下)

飲めなくても酔う サッカー放送に興奮
 ジャクサ通りには「メモリーズ・バー」以外にも特色あるバー、カフェがある。ぶらりと通りを歩いていると、自然と店に入り、「ビンタン」と注文してしまう。楽しいことに出会えそうなこの通りには、人を酔わす雰囲気があるのかもしれない。
 「パッパ・カフェ」もその一つ。店内の壁に「ツーリスト、イエス。テロリスト、ノー」と書かれたステッカーが貼ってある。ここでは白人も黒人もインドネシア人も、朗らかにあいさつを交わし、一日を過ごしている。
 お世辞にもきれいとはいえない店内で、むりやり着せられたような白いワイシャツ、黒いスラックスの制服の店員が、周囲の雰囲気から浮いて見える。食事のメニューはインドネシア、ヨーロピアン、インド料理と豊富だ。値段は安いが、味は保証できない。
 店内は思ったより静かで、テレビを見る人、飲んだくれて眠る人など、思い思いに時間をつぶす。週末は、テレビでサッカー中継を流す。その時間帯は大勢のサッカーファンで席が埋まる。
一泊十五万ルピアのホテルも数軒ある
一泊十五万ルピアのホテルも数軒ある

 ゲームが山場を迎えると、歓声とため息と、観客席の反応が真っ二つに分かれる。
 ときおり、けんかになるのではと思わせる激しい口論を始めるグループもいる。世界のサッカー・ファンの雰囲気を楽しめる場所だ。
 「メモリーズ・バー」から十メートルも離れていないところに黒人が集まる「アリス・バー」がある。オープンテラスと店内には、アフリカン・ミュージックが絶え間なく流れている。タナアバンなどに住み着いたアフリカ黒人のビジネスマンのたまり場だ。音楽のCDは、黒人たちが外国で買ってきたものだという。
 黒人の男がゆったりとソファーに座る。銀色のスニーカー、金色のアクセサリー、大きなサングラス姿がよく似合う。この辺の黒人は、ソマリアからの難民もいるという話を聞いた。そして麻薬を扱う人が多いとも。
 ジャクサ通りの北の端、クボンシリ通りにある「ピーズ・パレス」は、開店してまだ一カ月。店内は清潔で、この辺りでは珍しくエアコンが効いている。インドネシア料理よりも、白人の旅行者の好みに合わせたメニューで、値段も高めだ。一番の人気はミートパイ。十人ぐらい入る広さの二階席もある。
 他に、フロアが広い「バー・ファンズ・クラブ」、バンドの生演奏がある「ブタウィ・カフェ」などがある。
 通りにある様々なカフェやバーで、世界各地からの旅行者がお酒を飲み、楽しんでいる。そんな彼らと一緒になってお酒を飲む。普段お酒を飲む雰囲気とはひと味違い、知らない間に杯を重ね、酔いが回っていく。

(おわり)


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