爆弾テロを克服し、再建を目指すバリ島。じゃかるた新聞の記事の中から2002年11月19日掲載の「写真グラフ」と11月25日掲載の「がんばろう!バリ」元宝塚の姿月あさとさんが熱唱を紹介します。

■写真グラフ
2002年11月19日 じゃかるた新聞掲載

再建誓い祈るバリ

 バリ島爆弾テロ事件から一カ月が過ぎ、無事終了した慰霊祭を境に、再建に向けた動きが活発になっている。
 レギャン通りの事件現場は、慰霊祭の翌日から、ブルドーザーやショベルカーを使っての本格的な整地作業が始まった。爆発で開いた穴はきれいに埋められ、十八日までにがれきが撤去された。
事件の犠牲者の霊を慰め、失われつつあった調和と平和を取り戻すため、バリの人々は祈りを捧げた
事件の犠牲者の霊を慰め、失われつつあった調和と平和を取り戻すため、バリの人々は祈りを捧げた
 普段は日本人や欧米人で賑わうクタの街では、まだ観光客の姿はまばら。お土産屋はどこも閑散としていて、まったく客が入らない日もあるという店も多い。レストランや娯楽場も夜はいつもより早く店閉まいするところがほとんどだ。
 一方で、レバラン(断食明けの大祭)には、ジャカルタなどを中心に、国内観光客が大挙するという見通しもある。年末年始の日本からの航空券予約のキャンセルは、いまのところほとんどないとの声も聞かれる。
 悲観論と楽観論が入り乱れる中、バリの人々の表情から、それほど絶望感はうかがえない。
 早急な経済復興を求める声が高まるのとは対象的に、ゆったりとした時の流れが支配するバリで、人々はじっくりと自分たちの再建の道のりを探っているかのようだ。

祈りを捧げる僧侶
祈りを捧げる僧侶
爆風を受け、大破した乗用車に祈りを捧げる女性
爆風を受け、大破した乗用車に祈りを捧げる女性
爆弾が空けた穴は供物で埋められ、自身もバリ出身のイ・グデ・アルディカ文化観光相(右から4番目)が、黒いニワトリを捧げた
爆弾が空けた穴は供物で埋められ、自身もバリ出身のイ・グデ・アルディカ文化観光相(右から4番目)が、黒いニワトリを捧げた
犠牲者の遺影を掲げ、真剣な眼差しで儀式を見つめる遺族
犠牲者の遺影を掲げ、真剣な眼差しで儀式を見つめる遺族
事件現場脇に掲げられた豪州の国旗
事件現場脇に掲げられた豪州の国旗
パディーズ前には、事件の惨劇を描いた絵画が置かれていた
パディーズ前には、事件の惨劇を描いた絵画が置かれていた
クタの海岸から見る夕日。いつもより人の数は少ない
クタの海岸から見る夕日。いつもより人の数は少ない


ページのトップに戻る

2002年11月25日 じゃかるた新聞掲載

元宝塚の姿月さんが熱唱 チャリティーコンサート
 頑張ろうバリキャンペーン
 爆弾テロに見舞われたバリ島の復興を支援する「がんばろう!バリ」キャンペーンを行っているバリ日本人会(横川義康会長)は24日、ホテル・インペリアル・バリで、チャリティーコンサート「Berangkat(出発)─姿月(しづき)あさと、スアール・ドゥイ・ストゥリと共に」を開催した。
 元宝塚宙組トップスターの姿月あさとさんが「夢想遊泳」「川の流れのように」など計5曲を熱唱。最後に、スアール・ドゥイ・ストゥリのガムランに合わせ、BOOMのヒット曲「Berangkat」を歌った。旅立ちを歌った曲が今回のコンサートにぴったりと、姿月さんが選んだ。
チャリティーコンサート
バリでチャリティーコンサートを開いた姿月あさとさん(中央)とスアール・ドゥイ・ストゥリ=写真はいずれもバリ日本人会提供
 バリ在留邦人、バリ州政府関係者ら約230人が出席、立ち見も出る盛況だった。アンコールでは、「Berangkat」を全員が総立ちで合唱した。
 1人10万ルピア以上の寄付金は、爆弾事件の被災者救援を行っている地元の福祉財団に贈られる。
 日本人会では、北海道から雪だるまを持ち込む「南の島に雪が来る!」、インドネシア人の学習者を対象に「日本語スピーチ・コンテスト」などを開き、来年も「がんばろう」キャンペーンを続けていく予定だ。

コンサート

コンサート

コンサート

コンサート

姿月あさとさん。1987年宝塚入団。98年、65年ぶりに誕生した新しい組「宙(そら)組」のトップスターに抜擢された。2000年退団。同年、旅行代理店勤務の赤坂信太郎さんと結婚し、勤務先のバリに在住
姿月あさとさん=バリ日本人会提供
スアール・ドゥイ・ストゥリ=バリ日本人会提供
在留邦人女性らのガムラン・グループ「スアール・ドゥイ・ストゥリ(2つの国の光)」。1994年に結成、竹ガムラン・ジェゴッグの楽団「スアール・アグン」から指導を受けている。団員は13人。来年には初の海外公演となる、東京公演も予定している

閉じる写真グラフ・悲しみに沈むバリページのトップに戻る

 Copyright © 2002 PT. BINA KOMUNIKA ASIATAMA, BYSCH
 All Rights Reserved.