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2003年3月17日 じゃかるた新聞掲載

スラバヤを歩く(中)

野菜と魚の宝庫 東部ジャワ市場
 ナシ・ラウォンの発祥地
 スラバヤの街は二十四時間、眠ることを知らない。
 市内を縦断するマス川に面したクプトゥラン通りは、夕刻を過ぎると巨大な野菜市場に変貌する。
 マランやパチェット、モジョクルトなどの近郊の農村から、引っ切りなしに大量の野菜を積んだトラックが押し寄せ、ピーク時の午後九時ごろには百台以上が出入りする、スラバヤ最大のナイト・マーケットだ。
トマトを売る野菜市場の少女
トマトを売る野菜市場の少女
新鮮な魚が魚市場に並ぶ
新鮮な魚が魚市場に並ぶ

 裸電球に照らされたトマトや赤ピーマンの赤色、キャベツやキュウリの緑色が、鮮やかに浮かぶ。東ジャワやマドゥラなまりのジャワ語の威勢のいい呼び声が交わされる中、じゃがいもの入った巨大な籠を頭に載せたおばあさんや、背丈の二倍以上の高さに、インゲンが積まれたリヤカーを引くおじさんが横を過ぎていく。

■銀色に輝く魚

 夜明け前の午前五時ごろ、野菜市場の盛況が幕を閉じると、今度は北スラバヤ区のパベアン市場に活気が訪れる。
 ここはタンジュン・ペラック港で揚げられたばかりの魚介類が売られる魚市場。新鮮なサワラやタイの銀色の腹が、朝の陽光を浴びてキラキラと輝いている。
 木箱に並べた魚介類を前に、静かに客を待つファティマさん(六六)。「五歳のときにマドゥラ島から来て以来、ずっとここで魚を売り続けているのよ」。
 深く刻まれたしわをクシャクシャにさせながら笑うファティマさんの周りの魚介類は、まるで宝の山のように輝いて見えた。市場の建物内には、野菜や乾物の市場もあり、狭い通路の両側に座ったマドゥラ人の女性たちがニンニクの皮をむき、その皮がじゅうたんのように通路に積もっていた。

■中華屋台に活力

 食材市場を歩き回ると、実際にその料理を食してみたくなるのが人の情。北スラバヤ区のクンバン・ジュプン通りは、日が暮れると「中国麺飯店」の看板を掲げた中華料理の屋台が軒を連ね始める。
 ガスコンロの火を豪快に炊き上げ、調理人が大きなフライパンを振るう。ジャカルタのマンガ・ブサール通りのように、路上の活気に満ちた場所だ。
 「店を開いて十八年。台湾、香港、中国からの出張者にも好評よ」。華人一族で店を切り盛りするアホンさん(四三)の屋台には、毎晩のように家族連れや仕事帰りのビジネスマンの行列ができる。
 真っ赤にゆで上がったカニ料理や、引き締まったイカの青菜炒め。路上の喧騒の中、渇いたのどにビールを流し込みながら食べる海の幸は格別だ。
 また、スラバヤっ子たちの大好物、この地が発祥と言われる黒っぽいスープとご飯のセット、ナシ・ラウォンの混沌とした食材の混ぜ具合は、この街の食の豊富さを象徴しているかのようだ。

つづく


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