ジャカルタで二〇〇三年を迎えようとする庶民たちは、車の乗り入れが禁止され、歩行者天国になったスディルマン、タムリン通りを歩いて、ホテル・インドネシア前の噴水を目指した。
|
ホテルインドネシア前の噴水を囲んだ群衆
|
その数、ざっと十万人。群衆はホテル・ハイアット前に設営されたステージを囲み、さまざまな出し物を楽しみ、イスラム指導者とともに平和の訪れを祈った。
庶民は街頭へ、金持ちはホテルで。この光景はいつもと同じ。完成間近いホテル・プレジデントは、明々と照明を灯し、ホテル・ハイアットの窓からは、ミラーボールが、赤、青、黄色の光を放つ。
スカルノ大統領が日本の賠償で建てたホテル・インドネシアは、市民に開放され、ロビーでポチョポチョ踊りの大会。
都市問題や人権、福祉、物価など政府の政策に批判的なカンプンの住民や子供たちが「私たちの国はどこへ行くの」と書いた横断幕を掲げ、政府に訴える光景も。
爆竹の炸裂音と硝煙が姿を消した代わりに、群衆が叫ぶカウントダウンの声が、ビル街に地鳴りのように鳴り響く。ふと、四年半前のジャカルタ暴動を連想させる大群衆の不気味な叫び。
年初から公共料金の値上げが相次ぎ、経済の見通しは明るくない新年。政治家は来年後半の大統領選挙に向けて動き出し、政治的にも微妙になる新年。本当にテロのない年になるのかどうか。米国がイラク攻撃を狙う新年。まだ、だれも予測できない。
| アンチョールに打ち上げられた花火
|
|
| アンチョール公園の舞台で踊るダンサー
|
|
| インドネシア国旗を掲げる若者たち
|
|
| タムリンの歩行者天国にヘビ使いが登場
|
|
| 「インドネシアはどこへ向かう」不安を訴える庶民
|
|
| ジャカルタ特別州が設置した大型ステージ
|
| |
|
ホテル・マンダリンで新年を迎えた人たち
|