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2004年1月5日 じゃかるた新聞掲載

総選挙 2004

「守旧派の党ではない」 「全国を緑色に染める」
 開発統一党 ユヌス幹事長と会見

 ハムザ・ハズ副大統領が率いる開発統一党のユヌス・ヨスフィア幹事長は四日までに、じゃかるた新聞との会見に応じ、総選挙と大統領選挙に向けた展望を語った。党内対立を抱える同党だが、ユヌス幹事長は「開発統一党は旧体制の野党から生まれ変わった。総選挙では、街中を(シンボルカラーの)緑色に染める」と述べ、勢力拡大に自信を示した。
 イスラム教の聖地、カーバ神殿(メッカ)をシンボルとする開発統一党は、国内のイスラム諸勢力を一つにまとめた党として、ゴルカル(職能グループ)、民主党(闘争民主党の前身)とともにスハルト政権の翼賛体制の一翼を担っていたが、スハルト体制崩壊後、再びイスラム色を強めた。

■目標は110議席

 ユヌス幹事長によると、開発統一党は党大会で、今年四月の総選挙の目標を百十議席(得票率二二%)と設定。世論調査では、同党の得票は、一九九九年の結果(得票率一〇・七%、五八議席)を下回るとの結果が出ているが、「世論調査の結果は国民の一五%程度の意見しか反映していない。実際に地方を訪れて住民の声を直に聞き、票読みする必要がある」と述べた。
会見に応じる開発統一党のユヌス幹事長
会見に応じる開発統一党のユヌス幹事長
 プサントレン(イスラム寄宿学校)などの伝統的なイスラム票を基礎票とする同党だが、国会議員選挙の候補者名簿には、大学教授や医師、博士号保持者などインテリ層が多数含まれていると説明。
 国軍出身でありながら、ハビビ政権下で情報相として言論、出版の自由を推進したユヌス幹事長は「わが党は近代的に生まれ変わった。旧体制の政党と捉えるのは誤りだ」と述べ、守旧派とつながりが深いとのイメージを否定した。

■反ハムザ派が離党

 開発統一党は、二〇〇一年の政変で、メガワティ大統領の下で副大統領の座を獲得したが、党内では党首のハムザ副大統領に対する不満が表面化。離党した分派が、イスラム伝道師のザイヌディンMZ氏を党首として「改革の星党」を旗揚げした。
 党の分裂について「ザイヌディン氏は著名なキアイ(イスラム指導者)だが、特に心配はしていない。一時期、中部ジャワ州のキアイ数百人が新党に移ったが、すでに開発統一党に復党した」と述べ、影響は小さいとの見方を示した。

■目立つ過激な発言

 ハムザ副大統領は、米国を「テロリストの王様」と非難するなど、テロ問題で過激な発言が目立つ。ユヌス幹事長は「米国のテロ政策は世界中で批判を浴びており、ハムザ氏の批判も当然のこと」と述べ、イスラム急進派からの支持取り付けを狙った発言との見方を否定した。
 論議を呼んでいるイスラム法(シャリア)の導入については、「総選挙キャンペーンでは、国是であるパンチャシラ(建国五原則)の原則に基づいて、イスラム法の実践を訴えていく」と述べた。
 ハムザ副大統領は最近、メガワティ大統領の夫タウフィック・キマス氏と会談。闘争民主党の幹部は、開発統一党幹部との間で、メガワティ─ハムザ体制の維持について意見交換していることを認めている。
 大統領選挙で他党との連合について、ユヌス幹事長は「タウフィック氏との会談では両党の連合については協議していない。開発統一党は、わが党にとって利益となる連合を組む」と述べた。

総選挙 2004
総選挙参加の24党決まる 2大政党軸変わらず
「メガワティ人気は健在」−闘争民主党のチャフヨ国会会派代表
「総選挙で優位に立つ」−ゴルカル党のアグン中央執行部委員長
「3党大連合」の可能性も−民族覚醒党のマーフッド副党首
スハルト元大統領の長女出馬の動き





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