一九七四年一月十五日、日本の田中角栄首相がインドネシアを訪問した際に起きた反日・反政府暴動「マラリ事件」の二十九周年に当たる十五日、タマン・イスマイル・マルズキ(TIM)で、当時の活動家や政治家約千人が集まり、メガワティ政権に対する批判演説を行った。最近のデモを動員しているとみられる勢力が集結したものとして注目される。
| 公共料金値上げ反対デモで、大統領官邸前に集結したデモ隊
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| 大統領の肖像写真を踏みにじる学生
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学生活動家としてマラリ事件当時のデモを率いたハリマン・シレガル氏は、「現状を放置した場合、状況はさらに悪化する。国民を無視した政策に対し、厳しく批判していかなければならない」と述べ、メガワティ政権への抗議運動を呼びかけた。
これに呼応し、熱気に包まれた会場の活動家からは「メガワティ大統領とハムザ副大統領は、すぐに辞任しろ」との叫び声が上がった。
同行事に出席したのは、ウィラント元国軍司令官やヌグロホ・ジャユスマン元ジャカルタ警視総監のほか、アミン・ライス国民協議会議長の側近のフアド・バワジール元蔵相、正義党のヒダヤット・ヌルワヒッド党首、月星党幹部のアブドゥル・カディル・ザエラニ氏らイスラム系政党の政治家、ムハマディアのシャフィイ・マアリフ議長、著名弁護士のアドナン・ブユン・ナスティオン氏、人権活動家のディタ・インダ・サリ氏、詩人のレンドラ氏ら。
シャフィイ議長は「政府は鈍感になり、良心を喪失している。国民の困難な状態を見極め、公共料金値上げは延期するべきだ。国民は混乱を起こさず、変革を要求していかなければならない」と呼びかけた。
■メガワティ降ろしデモ 学生評議会ら5000人参加
公共料金値上げに反対するインドネシア学生評議会(BEM)、イスラム学生連盟(HMI)、インドネシア青年国家委員会(KNPI)などの学生ら約五千人は十五日、大統領官邸前に集まり、メガワティ政権に値上げを撤回するよう求めるデモを行った。今月二日に値上げが実施されて以降、デモは二週間続けて実施されている。
デモ隊は「政府がわれわれの要求を無視し続ける限り、デモは終わらない」などと気勢を上げ、メガワティ大統領の肖像写真を踏み付けるなどの抗議活動を行った。
官邸前のほか市内数カ所で、タイヤを燃やしての抗議が行われたが、警察がすぐに消し止めた。
中央スラウェシ州パルでは同日、メガワティ大統領の辞任を求めるデモ隊数百人が、市内にある闘争民主党事務所に押しかけ、同党自警団(サトガス)と衝突。すぐに警察が駆け付けたが、十人以上が負傷、二十人が逮捕された。
一方、国会前では、メガワティ大統領支持派の団体約百人も集結。「値上げはメガワティ大統領の独断による決定ではなく、国会の審議で決められたもの」として大統領を擁護、国会の責任を追及した。
このほか、スラバヤ、ソロ、パレンバンなどの各都市でも、学生を中心とした抗議活動が行われた。